原油市場では、とんでもないことが起きています。

4月20日のNY原油先物市場、価格が一時1バレル=マイナス40.32ドルという安値をつけました。

理論的にはありえる話ですが、現実的にはありえないだろうと言われてきました。

そんなことが現実になってしまいました。

原油先物価格がマイナスになるとは、一体どういうことなのか?

そして、どういう影響があるのか?

考察します。

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【先物取引と現物取引】

冒頭で紹介したのは、あくまで先物取引です。

「先物取引の仕組み」

原油を一定数量、あらかじめ決められた価格で“将来の一定期日”に受け渡しを行う契約のことです。

原油先物を買って“先物の満期”まで保有すると、その価格で買ったことが保証されるというわけです。

買った後に上がったら得、下がったら損というわけです。

「現物取引の仕組み」

これは難しく考えずに、そのままです。

お金と原油を交換する取引です。

「先物取引現物を組み合わせて価格変動リスクをヘッジしている」

原油価格によって企業の売り上げが左右していては大変です。

そのために現物取引のみではなく、先物取引で“将来の一定期日”に受け渡しを行うで、原油価格が下がっても上がっても影響が大きくならないようにしているのです。

【現物市場は供給(在庫)過多になっていた】

OPECとロシアの交渉が決裂して以降、原油価格は下がり続けていました。

「新型コロナウイルスの影響?ガソリンが安い理由と経済への影響」

その後、アメリカのシェール会社が倒産してもなお、新型コロナウイルスの影響(自粛モード)でガソリンが売れずに原油価格は低調に推移していました。

アメリカ国内でガソリンを中心に需要が大幅減となり、ガソリンは大量の在庫を抱える状態になっていました。(貯蔵タンクがいっぱい)

「現物価格が先物よりも先に下がる」

4月15日、アメリカのエネルギー省の在庫統計では、貯蔵施設の能力限界に近いところまで在庫が増加していると発表されました。

現物の原油(ガソリン)が売れない状況で、4月17日の現物市場では1バレル=2ドル台に急落していました。

先物市場よりも先に現物市場で価格が急落するという謎の現象が起きていました。

「買っても貯蔵するタンクがない」

現物価格が安くて買いたくても、それを貯蔵するタンク(在庫)がいっぱいだから買えない。

買う人がいない、価格が下がる、という負のスパイラルで1バレル=2ドル台までいきました。

原油生産者たちは、いっぱいになった貯蔵タンク内の原油を売り捌かなければと考えます。

そこで最後の手段として、先物市場で無理やり売り、先物価格はマイナスになってしまいました。

「マイナスになるということは?」

販売価格がマイナスになるということは、売り手が原油と現金を買い手に渡すということです。

買い手は原油と現金をゲットできるということです。

「金をやるからもらってくれ!」というカヲス状態ですね。

【今後どうなる?】

4月21日のNY原油先物市場の終値は、前日比47.64ドル高の1バレル=10.01ドルと大幅に上昇しました。

新型コロナウイルスの影響が長引けば、また同じ現象が起きてもおかしくありません。

OPECが緊急会議をやったらしいですが、サウジアラビアとロシアは参加せず、ただただ先日の協調減産についての確認にとどまったようです。

コロナが終息して経済活動が再開すれば、今度は極端な供給不足状態になることも考えられます。

すると原油価格も上がり、生産も増やし、いい感じになるでしょう。

【原油先物、やるべき?】

たまたま「原油先物に全資産、投入していいですか?」とTwitterで見かけましたが、ただのギャンブルです。

先物取引はあくまで価格変動のリスクヘッジのためにやるものだと思います。

単純に儲けたいからやるというのはオススメできません。

【まとめ】

原油価格は経済、株式市場に大きな影響を与えます。

実際、ダウ市場も下落しました。

正直、ここまでなるとは思いませんでした。(コロナの影響をナメてました)

いかに普通の生活が幸せなことだったかを痛感する出来事でした。

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