株式会社ヒビキエフピーオフィス(愛知県名古屋市の独立系FP事務所)の重永です。

資産を分散、特に通貨の分散についての重要性はこの記事で解説しました。
「資産が日本円だけの人は破滅する!?資産分散の重要性を解説」

では、単純に外貨を銀行口座に入れて保有しておけばいいのでしょうか?

惜しいですが、これはオススメできません。

どのように外貨を保有すればいいのかを解説します。

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【ただの外貨預金ではダメな理由】

外貨を全く持たないよりはマシですが、外貨を銀行口座で保有したり、タンス預金として保有するのは推奨できません。

なぜならインフレ(物価上昇)すると現金の価値は下がり続けるからです。

「現金の価値は下がる」

インフレ(物価上昇)とは、モノやサービスの値段が上がることです。

たとえば、100円のジュースが102円に値段が引き上げられたとします。

物価上昇する前は100円玉でジュース1本と交換できましたが、物価上昇した後は100円玉とジュース1本を交換することはできません。

同じ100円玉なのに、物価上昇するとジュースが手に入らなくなります。

つまり、100円玉の価値が(現金の価値)が下がっているのです。

「先進国の物価上昇目標は年2%」

日本もアメリカもEUも、先進国は毎年2%物価を上げたいという目標を掲げています。

100円だったモノが、1年後には102円になることを目標にしています。

せっかく米ドルを保有していても、アメリカが毎年2%物価上昇を続けていたら、36年後には価値が半分になります。

「インフレ率以上の利回りで運用」

ただ外貨を持っていても、価値は下がります。

最低でも物価上昇率より高い利回りで運用しましょう。

元本を減らさないリスクの低い運用でも、年2%なら不可能ではありません。

【単なる外貨ではなく“外国資産“として持つ】

「外貨を持て」と言われると、そのまま現預金で保有することを想像してしまいますよね。

何度も書きますが現金の価値は下がりますので、増やさなければなりません。

「インフレ率以上に増えるように」

先進国の物価上昇目標は年2%です。

「外貨を持て」の真の意味は、年2%以上の運用ができる「外国資産を持て」ということです。

・外貨建ての金融資産(債権や株式など)

外貨建ての金融資産を持てば、それは「外貨を持っている」ということになります。

換金すると外貨ですからね。

株式は値動きが激しいので短期での保有は推奨できません。

米国債はアメリカにお金を貸すということです。

アメリカが破綻しない限り元本と利息は返ってきます。

今はコロナの金融緩和によって米国債の利回りが下がっていますが、これが年2%以上に回復すれば「ほぼ元本保証で物価上昇率以上の利回りで外貨を保有」することが可能になります。

・アメリカ不動産

ドルを持つならば、アメリカの不動産もおすすめです。

これも「ドルを保有する」ということですよね。

元本保証ではありませんが、アメリカの不動産価格は物価上昇率に近い上昇を続けています。

もちろん、物価が上がるということは家賃相場も上昇します。

州によっては1年で家賃が100ドル上昇することもザラにあるそうです。

さらに、アメリカの不動産の特徴として、販売価格のうち約80%が建物で、20%が土地の価格です。

建物は減価償却ができますので、帳簿上で赤字を作ることができれば節税にもなります。

近年、税制改正で個人は節税メリットが小さくなりましたが、まだまだメリットを享受できます。

不動産価格は元本保証ではなく、物価上昇率以上に価値が高まるかはわかりません。

が、賃貸することで賃料を受け取れます。

最終的に売却したときに、年2%以上で運用できた数字になっていれば最高ですね。

物件の選び方を間違えなければ、難しくないと思います。

「外貨を持つ」と「不動産を持つ」の両方を一気に実現できます。

高金利の外国債券に気を付けろ

外国資産であれば何でもいいかというとそうでもありません。

特に「高金利の外国債券」は注意が必要です。

債券の金利が高いということは、その国の物価上昇率が高いということです。

仮に長期的に高いインフレ率が続くと、その国の通貨の価値は下がりますので“購買力“が低下します。

2国間で見たときに、為替レートは通貨の購買力によって決まります。(よっぽどね)

海外の高金利債券に投資しても、結局為替のせいで日本円に戻したらマイナスになっては意味がありません。

外貨・外国資産はどこの国でもいいというわけではありません。

まずはやはり米ドルを保有することがオススメです。

高金利債券に投資する際は、為替変動率を上回る成長(利益)が出るかどうかを見極めましょう。

【まとめ】

「外貨を持つ」とは、現預金として保有するのではなく「外国資産を持つ(物価上昇率以上で運用)」ということです。

国内の保険会社が販売している外貨建て個人年金保険はNGです。

年利回りを算出したらNGな理由がわかります。