HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のファイナンシャルプランナー)の重永です。

ZOZOTOWN元社長の前澤さんが「ひとり親基金」を設立したことが話題になっていますね。

10万円を配るというのは素晴らしい取り組みだと思いますが、養育費不払い問題が解消されることに注力してくださればいいなあと祈っています。

そう、今朝の“スッキリ”でも特集されていた「養育費の不払い問題」についてです。

養育費不払いで問題になっている大半は男性。

男として、人間として終わってますね。クズです。

養育費を払わない元配偶者に対して、支払いを受けやすくなるように民法が4月から改正されました。

この改正法について、勘違いしている人もいるので解説します。

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【養育費不払い問題】

そもそも養育費とは、離婚によって子の親権者ではなくなった方の親が、子が経済的・社会的に自立するまでに必要なお金(生活費、教育費、医療費など)を養育費として支払う義務を負います。

この養育費を、支払い能力があるにも関わらず支払わないというのが社会問題になっています。(無責任クズだな)

「ひとり親家庭の数は?」

厚労省の「平成29年度母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況」によると、

出典:厚労省

母子家庭:123.3万世帯
父子家庭:18.7万世帯

注目したいのは「平均年間就労収入」です。

父子家庭が398万円なのに対し、母子家庭は200万円です。

いかに女性が現代社会で正社員になって稼ぐことが難しいかがわかります。

(ここには書けませんが、ある理由も隠れています。)

「養育費を取り決めている家庭の割合は?」

厚労省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、養育費の取り決めをしているという家庭の割合は、

母子家庭:42.9%
父子家庭:20.8%

どちらも平成23年の調査よりも増加しています。

なかには離婚時に「養育費なし」と取り決めて、一人で育てている親もいます。

「問題なのは、実際に養育費を受け取っているか」

取り決めはしているが、実際に受け取っているのか?

同調査によると、養育費を受け取っている割合は

母子家庭:24.3%
父子家庭:3.2%

この調査からも分かるように、取り決めをしているのが半数以下で、実際に支払われているのはさらに少なくなります。

【養育費不払いは許されるのか?】

今回の改正でやっとマシになりましたが、以前までは甘かったと言わざるを得ません。

「養育費が支払われなかったらどうすればいいの?」

取り決めていた養育費が支払われなかった場合、公正証書で事前に取り決めていれば家庭裁判所に申し立てて、給料や資産の差し押さえができます。

公正証書で事前に取り決めていない場合は、家庭裁判所に調停の申し立てや履行勧告の申し出をします。

その後、上記と同じように差し押さえができます。

これが費用も時間もかかるので、離婚時に取り決めておくことをオススメします。

弁護士・行政書士費用を捻出できなくて諦めている人も多いと思います。

「差し押さえる財産があるかわからない場合は?」

 離婚前から同じ職場に勤め続けていれば給与の差し押さえをすれば済みますが、転職したり財産が減ったりすると「何を差し押さえればいいのかわからない」状態になります。

そうなっては困るので後述の「財産開示手続き」を利用したいところです。

これが、2020年4月に改正されたポイントとなる手続きです。

「財産開示手続きとは?」

債権者が裁判所に申し立てをすれば、債務者を裁判所に呼び出せます。

裁判所からの呼び出しを受けたら、裁判所に出頭し、自分の財産について開示しなければなりません。

が、今まで問題だったのは、事前に公正証書を作成して養育費の支払いについて定めていても、この「財産開示手続き」を利用することができませんでした。

しかも、この呼び出しを無視しても実質的にペナルティがなかったことです。

(虚偽の陳述をしたら30万円以下の過料)※過料は刑事罰ではない

ここまで手続きをしても、財産があるかないかがわからずに養育費を請求できずに終了していました。

こんな「財産開示手続き」が今回の民法改正で変わりました。

【2020年4月1日〜改正民事執行法】

「養育費不払いでも手続き可能」

先述の「財産開示手続き」は、養育費不払いにおいては申し立てできませんでしたが、改正後は公正証書により養育費などの支払いを取り決めた人も申し立てができるようになりました。

さらに、改正前は債務者が出頭しなかったり、虚偽の陳述をしても30万円以下の過料で済んでいましたが、財産開示の手続き違反をすると「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」という“刑事罰”が適用されるよう改正されました。

「債務者以外の第三者からの情報取得手続を新設」

情報開示の対象となる財産は主に「給与債権」「預貯金」「不動産」です。

「給与債権」については市区町村や日本年金機構から情報を得られるので、どこに勤めていてもよっぽど特定されます。(市民税とか特別徴収されるからね)

これだけでも、今までより「支払い能力がない」と逃げられることは少なくなることが想像できます。

財産(支払い能力)があることさえわかれば、強制執行(差し押さえ)です。

各財産の情報を取得できるとされる第三者

給与債権:市区町村、日本年金機構
預貯金:銀行
不動産:登記所

【まとめ】

今までよりも養育費不払い問題を解消しやすいように法改正されました。

しかし、事前に公正証書の取り決めがなかったり、相手の行方すらわからない場合は困難と言わざるを得ません。

前澤さんの「ひとり親に10万円」という基金、配って終わるとは思えません。

定期的に受け取れるはずだった養育費を受け取れないのは大問題です。

このような根本的な問題の解決のためにお金を使ってくれる基金だと良いなあと思います。

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