HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)の重永です。

前回に引き続き退職金のお話で、もう少し深く掘り下げていきます。「退職金定期預金」という商品を取り扱っている金融機関は多くあります。

全額を預けるのはオススメしません。かと言って「退職金の金額がわかる源泉徴収票が契約時に必要」であったり「最低預入金額500万円〜」という条件を付しているものもあります。

「とりあえず金利がいいから預けとくかー」と安易に判断しては金融機関の思う壺です。最後まで読んで、しっかり勉強していきましょう。カモられないようにね。

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【退職金定期預金の内容や契約条件】

大抵の退職金定期預金では、預け入れ予定のお金が本当に退職金であることを証明する必要があります。その方法として「退職証明書」や「源泉徴収票(退職所得)」が必要になります。

※勤務先に言えば発行してくれるはずです

よっぽど一生に1回ですね

また、「退職金を受け取ってから1年以内」「NISA口座開設」といったような条件をつけている金融機関もあります。

【メリット】

通常の定期預金よりも金利が高い。以上。

【デメリット】

高金利が続く期間が短いものが一般的です。短いものは1ヶ月、長くて半年間くらいでしょうか。平均して3ヶ月満期が多いと思います。

たとえば「退職金定期よきん!年利1%!」とだけポスターに大きく書いてあって、小さく「預入期間3ヶ月、満期後はスーパー定期預金の店頭表示金利です」と書かれています。

これ怒られるかな。。

仮に2,000万円預け入れると、

2,000万円×1%×3/12=5万円(税引後39,843円)で、約4万円ゲットです。

その後は通常の定期預金金利0.01%になります。受け取れる利息はずっと1/100です。1年で2,000円(税引後1,593円)ゲットです。

手続きが通常より面倒なのと、高金利期間は極端に短いということがデメリットです。

【金融機関の狙い】

預金を獲得したい、退職金定期預金の高金利期間が終わった後も預けておいてほしい、投資信託の投資商品に誘導したい、などの狙いがあります。

「高金利期間だけ預けたらすぐに解約したろ」と強い意志を持っていても、彼らも営業のプロです。簡単には逃がしてくれません。

退職金を手にされたほとんどの人が投資経験のない素人でしょう。情報量が少ないうちに説明されるとそのまま納得してしまって契約する。。よろしくないです。

もちろん、内容のいい投資商品を紹介してくれる担当者もいるでしょう。

ですが「自分の身(お金)は自分で守る!」という強い気持ちがないと、セカンドライフでスグに破綻しますよ。

【退職金NISAみたいな商品が登場しそう(勝手な妄想)】

国としても、資産を投資に回してほしいと思っています。現在の非課税口座であるNISAは年間120万円まで(最大5年で600万円)です。

退職金限定で1,000万円くらい一気に投資できて、非課税が続くならいいなーなんて思っています。国税庁が許さんか。

【まとめ】

退職金定期預金は、高金利をエサにしたフロント商品です。バックエンドには金融機関が儲かる商品の契約が待っています。(外貨建て保険とかね、苦情になってるでしょ)

詳しくはこちらの記事で「外貨建て保険ってだけで安心してない?安心する意味が謎です

高金利期間後に解約できたとしても、次の資金使途が決まっていないと無意味です。何度も言いますが「自分の身(お金)は自分で守る!」という強い気持ちで勉強しましょう。できるだけ減らさないように現役時代から続いた生活を見直すことも重要です。

資産を増やす運用方法の勉強と、ライフスタイルを見直しに、プロの私のところへ相談しに来てはいかがでしょうか。