株式会社ヒビキエフピーオフィス(愛知県名古屋市の独立系FP事務所)の重永です。

「ウッドショック」というワードをご存知ですか?

簡単に言うと、木材の価格が高騰しています。

これが経済に、日本の私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか?

解説します。

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【ウッドショックとは】

いま話題となっている「ウッドショック」とは、世界的に木材の供給不足になり、輸入材はもちろん国産材を含む“建築用材“の価格が高騰している状態です。

「どれくらい価格高騰しているのか?」

ネットを見ていると、住宅建築などで使う木材の価格は短期間で2〜3割も値上げされているようです。

実は日本は世界的にも有数の森林保有国ですが、国内で梁材(横架材)に使われている国産の木材はわずか10%で、ほとんどを輸入材に頼っているのです。(日本木造住宅産業協会が会員を対象に実施した19年の調査結果)

そのため、海外の影響を受けやすいのです。

「ウッドショックの原因」

さまざまな要因が重なり、世界各地で木材の需要が高まっています。

供給にも問題が起こり、需要と供給のバランスが崩れて木材が価格高騰しています。

・アメリカで住宅ブーム

新型コロナウイルスの影響がここにもあります。

2020年に世界各国で金融緩和が発動し、金利も低下しました。

超低金利と在宅勤務(郊外の住宅需要が高まる)も重なり、アメリカでは住宅建設ラッシュです。

もちろん、木材の需要も増えます。

価格は1年で6倍に膨らんだそうです。

・中国の経済回復

コロナ前からも経済成長が進んでいた中国では木材の需要が高かったのですが、コロナからいち早く経済回復し、今また木材の需要が高まっています。

・コンテナ事故と不足

こちらは供給の問題です。

2021年3月にはスエズ運河(エジプト)での大型コンテナ船座礁事故がありました。

他にもコンテナ船の海賊被害が多発しており、警備を強めるためにコストが増え、結果的には物流コストが増加します。

さらに、コロナによるステイホームで、通販が活況なのもコンテナ不足に拍車をかけて物流コストを押し上げています。

【木材価格高騰が経済に与える影響】

「もう家を建ててるから関係ないわ」と思っていませんか?

木材と聞くと、自分には関係ないと思う人が多いかもしれませんが、ほぼ全員に関係あります。

「不動産価格上昇」

木材の価格が高騰すると、その木材を使った住宅の価格も高騰します。

すると新築住宅の販売価格が上がり、周辺の中古住宅の価格も上昇、家賃の相場も上がります。

賃貸住宅に住んでいる人にも影響を及ぼす可能性は高いのです。

実際にアメリカでは資材高の影響で新築住宅価格や家賃が上昇し始めています。

全米住宅建設業協会(NAHB)の試算によると、木材価格高騰で平均的な新築一戸建て住宅の価格が3万6千ドル(約400万円)近く上昇し、新築アパートの家賃が月に119ドル(約1万3千円)も上昇しているそうです。

不動産価格が上がると、すでに不動産を保有している人は家賃収入が増えて資産を増やします。

不動産を持っていない人は家賃の負担が大きくなり、資産を築きにくくなります。

「インフレ(物価上昇)」

価格が上がるということは、そのままの意味で物価上昇です。

アメリカの期待インフレ率を示す5年物ブレークイーブン・レートが2006年以来の高水準を付けています。

しかし、このまま物価上昇し続けるかというと疑問です。

木材や住宅価格だけ値上がりしても、雇用が増えるわけではないので経済の好循環は起きにくい状態です。

逆に住宅が高くて売れなくなり、経済が停滞する可能性もあります。

シンプルに喜ぶことはできません。

【まとめ】

一見、関係なさそうなウッドショックの話題ですが、不動産価格や家賃、物価に影響を及ぼします。

こういう事態は予測が難しいです。

予測が難しい事態になった時でも、安定して資産を維持できる方法をご存知ですか?

有料のセミナーでお話ししています。

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