HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)の重永です。
NYダウが過去最高の下げ幅を記録して初めてサーキットブレイカーが発動しましたが、私は慌てずほったらかしです。
ブログも、まったく別の話題です。
4月から新生活が始まる人も多いでしょう。
新生活といえば新居、引越しですね。
賃貸にまつわるトラブルが増えるのもこの時期です。
知っておかないと損しますよ。
(マジでみんな損しすぎ)
【トラブルの多くは敷金について】
「敷金が返ってこなかった」「一部を修繕費に充てられた」
よく聞く話です。
私は毎回やるせない気持ちになります。
詳細を聞くと、ほとんどは全額戻ってくるはずだからです。
なぜこんなことになるのか?
「敷金について規定がない」
現在の民法では「敷金」についてハッキリした規定がないいのです。
というのも、敷金については「原状回復義務」の規定に含まれているのです。
これを4月の改正でハッキリと明文化することになります。
「法的拘束力がなかった」
これが不動産屋が好きにやれる大きな理由でしょう。
原状回復については国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考にするしかなく、そこに法的拘束力はありませんでした。
グレーなままだったのです。
このガイドラインを盾に、私は敷金を回収できなかったことはありませんが。
ガイドラインよりも法的拘束力があった方がいいに決まっています。
【改正後の敷金はどうなる】
敷金とは何か?
どういうときに敷金が返還されないか?
これらを改正によって明確にします。
「敷金の定義」
敷金とは賃料債務(家賃を滞納したら敷金を充当する)や原状回復費用などの未払い債務を担保するための金銭を言い、名目は問わない。
つまり「保証金」の名目でもそれは敷金とみなされます。
「敷金の返還時期」
原則として賃貸借が終了して賃貸物の返還を受けたとき。
つまり大家さんは「新しい入居者が見つかったら敷金を返します」なんてことはできません。
部屋を出て行ったら敷金を返還しなければなりません。
「敷金返還の範囲」
家賃滞納や原状回復費用などの未払い債務に充当した後の残額。
つまり未払い債務がなければ全額返還されます。
【原状回復についても明確に】
これを知っておかないと敷金を取り返せません。
今までの敷金をめぐる判例法理が622条の2に明文化され、賃借人の原状回復義務に関するルールも明確になります。
「原状回復義務の範囲外」
・通常損耗
・経年劣化(変化)
・賃借人の責に帰することができない事由によるもの
これらが原状回復義務から除かれることが明記されます。
「通常損耗・経年劣化(変化)に該当するもの」
・家具の設置による床やカーペットのへこみ
・汚れ(設置跡)
・フローリングの色落ち
・電気ヤケ(冷蔵庫等の後部壁面)
・壁の画鋲やピンの穴(下地ボードの張り替え不要な程度)
・入居者入れ替わりによる鍵の交換
よくあるのは画鋲の穴で壁紙張り替え費用を請求されたということ。
画鋲を刺したら下地ボードにも穴があきます。が、数カ所であれば下地ボードを取り替える必要があるとは言えませんので原状回復義務は発生しません。
さらに言うと、壁紙の耐用年数は6年と規定されています。
つまり6年で壁紙の価値は1円になります。
経年変化によって価値が1円になったと考えられ、どれだけ画鋲を刺していようと原状回復義務は発生しないと考えられます。
ただし、契約書に「画鋲の穴は借主が原状回復する」という特約を付帯していることもあります。契約する際によく確認しましょう。
「借主負担に該当するもの」
・引越し作業でできた傷
・タバコによる臭い、壁の黄ばみ
・壁の釘穴、ネジ穴(下地ボードの張り替えが必要なもの)
・ペットによる柱等の傷・臭い
これらさえ気をつけていれば、敷金が返ってこないことはありません。
【まとめ】
不動産屋の言いなりになっていませんか?
敷金は返ってこないもの、修繕費に充当されるものと思っていませんか?
知らないと数万円・数十万円単位で損してしまいます。
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