HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)代表ファイナンシャルプランナーの重永です。
サラリーマンが確定申告で受けられる3大控除は「寄附金控除」「医療費控除」そして「雑損控除」です。
この「雑損控除」は聞き慣れないと思います。
なぜなら悲しい控除だから。。
でも、いざという時のために知っておかないと損します。
【雑損控除とは】
自然災害、火災、盗難や横領で損害を受けた場合に一定の金額を所得から控除できます。
今年は災害が多かったので、対象者が多いのではないでしょうか。n
詳しく解説していきます。
「雑損控除の対象となる事象(原因)」
・自然災害
・人為的な災害(火災など)
・害虫被害
・盗難
・横領
出典:国税庁
「被害が出る前の費用」
たとえばスズメバチの巣の駆除費用やシロアリ退治の費用も雑損控除の対象です。
豪雪地域では、雪下ろしにかかった費用も対象になります。
“被害を受けた”というイメージの人が多いと思いますが、被害を事前に防ぐための費用も雑損控除の対象になるようです。
「詐欺被害は?」
雑損控除の定義から「詐欺被害を受けた場合も対象になるのでは?」と勘違いされやすいです。
詐欺被害は雑損控除の対象にはなりません。
民法でも詐欺は「騙される方も悪い」というニュアンスで定義されています。
厳しい世の中だ。。
「計算方法」
まずはベースとなる「差引損失額」の算出方法
差引損失額=損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出金額ー保険金等で補填される金額
差引損失額を算出したら次の計算です。
①差引損失額-総所得金額等×10%
②差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
①か②のいずれか多い方を控除できます。
難しい!!!!!!
とりあえず上記の「雑損控除の対象となる事案(原因)」だけ知っておけばOKです。
【災害減免法による所得税の軽減免除】
雑損控除とは別でこういった制度もあります。
その年の所得金額の合計額が1,000万円以下の人が災害にあった場合は、「雑損控除」か「災害減免法による所得税の軽減免除」のどちらか有利な方を選択できます。
「制度の概要」
災害にあった年の所得金額が1,000万円以下かつ、
災害によって受けた住宅や家財の損害金額(保険金などにより補てんされる金額を除く)がその時価の2分の1以上の場合に、
雑損控除を受けていない人は以下の表の通り所得税の軽減免除が受けられます。
【まとめ】
「雑損控除の対象となる事象(原因)」だけ知っておけば損することはないでしょう。
よっぽど親切な損害保険会社の人が教えてくれるとは思いますけど。
できれば使いたくない(被害に遭いたくない)ものですね。