(株)ヒビキエフピーオフィス(愛知県名古屋市のファイナンシャルプランナー)の重永です。

ロシアによるウクライナ侵攻、我々の生活や資産に与えている影響をご存知でしょうか。

株式、投資信託を保有している人は肌で感じていることかと存じます。

保有資産の評価額が下がって悲しい気持ちの人はぜひ最後までご覧ください。

なかなか経験することがない「地政学リスク」について知る良い機会です。

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【世界各国から経済制裁を受けるロシア】

ロシアがウクライナに侵攻する動きを見せる前から経済制裁が発動されています。

第一弾は2022年2月22日、以降数回に分けて発動されています。

初めはロシア経済へ決定的なダメージを与えることはない程度でしたが、実際に侵攻が始まると経済制裁の攻撃力が高まり、ロシア経済に影響を与えます。

中でも「SWIFT排除」によってロシア国内はパニックです。

※SWIFT:国際銀行間通信協会、国境を越えて送金業務を行う。

これが使えなくなるということは、海外とお金のやり取り(商取引)ができなくなります。

「ロシアでは通貨危機」

ロシアが1月に公表したデータによると、2021年6月時点での外貨準備高は約6400億ドル(約74兆7000億円)で、この内1,000億ドル相当をドル建てで保有していたそうです。

これは全体の16.4%に相当し、ユーロ建ては全体の32.2%、人民元建ては13.1%、日本円建ては2%程度となっていました。

ロシアのシルアノフ財務相は2022年3月14日に「ロシアの外貨準備高である約6,400億ドルのうち、約3,000億ドルは現在使うことができない状況にある」と国営テレビのインタビューで答えました。

日米欧からの経済制裁(資産凍結)で、「外貨売り、ルーブル買い」もできずにルーブルの価値が暴落しました。

侵攻前は1ルーブル=1.5円前後で推移していましたが、2022年3月7日には1ルーブル=0.83円まで下落しています。

ロシア国内では、短期間で”現金の価値が半分”になっています。

「ロシア国内の銀行では取り付け騒ぎ」

現金の価値が下がることを想像したことがありますか?

仮に現金の価値が半分になるとします。これが何を意味するのか?

昨日100円で買えたものが、今日は200円支払わないと買えないのです。

現金の価値が半分になるということは、現金を使って手に入るものが半分になるということです。

価値が下がり続ける現金を持っていては、自分の財産が減っていく一方です。

では、人々はどのような行動を取るでしょうか?

現金を別の財産(資産)に変えようとしますよね。

株式を購入したくても、ルーブルでの決済ができないと株式は買えない。

現金を株式に変えることはできない。

クレジットカードも使えない。(VISAやMasterCardもロシア国内での決済ができない措置を取っています)

残された選択肢は?

銀行から現金を引き出し、モノを買う。

ロシア国内では多くの人が銀行に並び、現金を引き出し、高級ブランド品や家電を買い求めています。

出典:ロイター時事「現金自動預払機(ATM)前にできた長蛇の列」=27日、ロシア・サンクトペテルブルク

「ロシア国内の物価上昇」

現金の価値が下がるということは、イコール現物の価値が高まるということです。

つまり現物の値段が上がるということ。

事実、先述の流れで現金を現物に変えようと多くの人が高級ブランド品や家電を買い、品薄状態だそうです。

家電は2週間足らずで20〜30%値上がりしました。

中には価値の暴落したルーブルを皮肉にも捨てる(ばら撒く)といったニュースも目にします。

「ロシアから学ぶ資産分散の重要性」

現金の価値が下がってから行動していては遅いのです。

常に「何が起きても問題ない状態」をキープしておくことが大切です。

財産三分法
・金融資産
・不動産
・現金

これを軸に、有事に備えましょう。

今回の地政学リスクで学ぶべきは、外貨準備と現物資産の重要性です。

「もし自分の住む国が戦争に巻き込まれたら?」と想像してください。

安全な国に避難するときにも、ある程度の財産を持っていれば安心です。

仮に日本が戦争に巻き込まれ、日本円の価値が暴落したら、価値が下がった日本円(現金)を持って外国に避難してもその現金は役に立つのでしょうか。

おそらくあまり役には立たないでしょう。

こうした有事に、外貨(やはりドルが安心)や現物資産を持っていればどうでしょうか。

外国でもお金には困らず、現物資産も現金(外貨)に換金することができます。

あらゆる事態を想定し、選択肢を増やして備えることが重要ですね。

とらしげは海外の銀行口座に外貨を準備し、現物資産はダイヤモンドを中心に用意しています。

現物資産の代表格である金(ゴールド)は、持ち運ぶのが大変ですからね。。

なぜダイヤモンドを選択しているかは後述しますので、話を戻します。

【ロシアへの経済制裁が日本国内に与える影響とは?】

経済産業省が公表している「通商白書2018」によると、ロシアの貿易品目や輸出先の上位は一見、日本への影響はなさそうです。

経済産業省「通商白書2018」

が、既に影響が出ているものや、数ヶ月遅れで影響が出てきそうなものがあるのです。

「ロシア産食品(以外にも影響あり)」

食料自給率の低い日本は、食品もロシアからの輸入に頼っています。

特に海産物です。

ウニ、蟹、サーモンなど。

特にウニは北海道産の不漁で最近は高値が続いていました。

これに今回の件も重なって、さらに高値で取引されています。

ロシア産の食品だけではなく、ロシア上空を飛んで空輸していた「ノルウェー産のサーモン」も空輸便の減少で運賃が高まり、輸送コストが増えた分が価格に上乗せされています。

これらを使った飲食店は値上げせざるを得ないでしょう。

「ロシア産エネルギー」

ロシアは世界屈指のエネルギー大国です。

なかでもガスの占める割合は世界トップクラスで、日本の依存度も非常に高いです。

というのも、日本の発電原資の約4割は液化天然ガス(LNG)を使用しています。

液化天然ガス(LNG)の供給が減少すると、ガス代はもちろん、電気料も上昇します。

電気とガスは生活から切り離せないインフラです。

これらの値上げは、我々の生活を圧迫することを容易に予想させます。

「エネルギー不足で値上がりする品目」

先述の液化天然ガス(LNG)の供給減少が及ぼす影響は多岐に渡ります。

深刻なのは鋼材価格の上昇です。

鋼材は新型コロナウイルス感染拡大以降、物流に支障をきたして価格上昇が続いていました。

今回の件で鋼材の価格上昇に拍車がかかりそうです。

というのも、鉄を作るのにも莫大なエネルギーが必要になります。

エネルギーが供給減、つまりエネルギーの価格が上昇します。

このエネルギーを使用して加工する鉄の価格が上昇するのは当然です。

では鉄の価格上昇が我々の生活にどう影響するのか。

鉄は身近にたくさんあります。

家電、自動車、マンションやビルは鉄が使用されています。

これらの値上がりは覚悟したほうがいいでしょう。

日本だけではありません。

世界の国々でも同じことが起こります。

エネルギーをロシアに依存していない国も、輸入先の国に日本などから需要が集中してしまいます。

すると別の国から輸入することを考えますが、他国も同じ考えで需要が集中します。

需要が高まるということは、価値が高まるということ、つまり価格上昇です。

世界各国で鉄の価格上昇が起きてしまうのです。

そして、短期的に値上げしてすぐに価格が元に戻ればいいのですが、これは難しいでしょう。(理由はインフレの仕組みを理解すればわかります)

「物流に与える影響」

先ほども少し触れましたが、ロシア上空を飛行機が飛べない影響で、空輸便の物流コストが上昇しています。

空運できないならば船で!となり、海運の需要が高まり、こちらの物流コストも上昇します。

結果、全ての物流コストが引き上げられてしまうのです。

新型コロナウイルス感染拡大以降、物流コストは上昇し続け、さらに拍車がかかるのです。

2021年、「ウッドショック」というワードを聞いたことがある人も多いかと存じます。
木材価格高騰!ウッドショックで住宅(不動産)も値上がり?」

マイホームを探している人は特に肌で感じているでしょう。

住宅設備大手のLIXILは昨年、トイレ、浴室、キッチンなどの価格を最大で約4割値上げしました。(そもそも手に入らない、届くのが遅いそうです)

これも物流コストが上がった影響です。

【注目される現物資産】

なんでもかんでも値上がりです。

個人的に恐れているのは、企業側が「ロシアの影響で値上がり」という理由をつけて価格改定してしまうことです。

消費者も納得してしまうのです。

まさに「おそロシア」。。

では、今回の地政学リスクを経験し、どのように活かせばいいのでしょうか。

資産防衛に重きを置いて考えると、インフレ対策となる「不動産」と「現物資産」の保有です。

「不動産」

インフレ対策の代表格である不動産は早めに保有してほしいものです。

資産価値の高いもの、つまり需要が高く、建物自体に価値があるものがオススメです。

となると都市部の駅近マンションになります。

鋼材価格が上がると、これを使って建てるマンションの販売価格も上昇します。(建築コスト上昇)

新築マンション価格が上昇すると、新築が欲しくても買えない層が中古マンションに手を出し、需要が増えることで中古マンション価格も上昇します。

値上げの連鎖です。

事実、マンション価格は他の不動産に比べて突出して値上がりしています。(下図の緑線がマンション価格指数)

出典:LIFULL HOME’S

「バブルなのでは?」という声も聞かれますが、単純に建築コストがマンションは戸建てに比べて上がっているのです。

新興国はビルを建てまくっているため、鋼材の需要が減ることは考えにくいです。

となると、今後もマンション価格の下落も同じように考えにくいといえます。

さらに、中古マンションの取引価格は家賃によって決まる(収益還元法)ため、家賃相場が上がれば中古マンションの取引相場は上昇します。

家賃はどうやって決まるのか?そこに住みたい人がどれだけいるか、いくら家賃を支払えるかで決まります。
(新築に住みたい人が多い=需要が多い=家賃が高い)

家賃を払う人たちの収入が増加すれば、家賃相場は上昇します。

つまり、インフレし、賃金が上昇すると家賃相場も上昇し、中古マンション取引価格も上昇するのです。

家賃を払う側はインフレすると支出が増え、家賃を受け取る側はインフレすると収入が増えます。

「現物資産(ダイヤモンド)」

インフレが進み、現金の価値が下がると現物の価値は上昇します。

さらに希少価値の上昇も組み合わさる現物資産は注目です。

とらしげが2019年から注目しているピンクダイヤモンドの話はこの記事から。
「現物資産(投資)として注目されるピンクダイヤモンドの価格高騰が予想される理由」

さらに、今回の地政学リスクのど真ん中にいるロシアが産出量世界一位を誇るダイヤモンド(ロシアンダイヤ)も値上がり必須です。

※ダイヤモンド原石の供給量のうち、世界全体のおよそ3分の1をロシア産が占める

経済制裁(SWIFT排除)によって、お金の取引ができないことからロシアはダイヤを輸出できなくなっています。

さらに、アメリカはロシアからのダイヤ輸入を禁止しました。

2021年、驚異的なインフレを起こしてしまったアメリカでは、ダイヤの売上高が前年比51%増加と最も高い伸び率を記録しました。

インフレリスクを理解しているアメリカ人たちの間で需要が高まるダイヤモンド、ロシアからの供給が減れば更なる価格上昇につながる可能性が高いです。

ロシアンダイヤの特徴として、結晶構造が綺麗で、ブライダルの装飾品などに多く用いられています。

プロポーズ用の婚約指輪や、ブライダル装飾品の購入をお考えの方は早めに動いた方が良さそうです。

ダイヤモンドの需要はアメリカだけではありません。

世界中の人が共通して欲しいものであり、イコール世界中から需要があります。

事実、過去の価格推移では常に右肩上がりで上昇を続けています。ITバブル崩壊、リーマンショックの時は一時的に下落しましたが、すぐに回復していることがわかります。

出典:Ajediam「ダイヤモンドの価格推移」

有事での金価格上昇、金は購入後に手元に置く以外にも、金融商品として金を買うというものも含まれます。(金の積立とかあるよね)

こうしたことから、どうしても機関投資家の影響を受けやすいという特徴があります。

株価が下がる局面では、機関投資家が株式市場から資金を引き上げ、金を買うという流れが出来上がっていますので、金価格は景気に左右されやすく、価格推移も乱高下が激しいです。
(とはいえ、過去200年の平均では年2%程度は価格上昇しています。これは物価上昇率と同じですね。)

出典:毎日新聞

上記のチャートを見ると、1980年頃に金を購入した人は、40年近く損し続けていたことになります。

2001年以降のチャートを見せて「金は価格上昇し続けている」という印象を与える資料などを見かけますが、いい部分しか見せずに金を購入させようという魂胆がバレバレです。(気をつけてください)

重くて持ち運びが困難、さらに景気に左右されて価格が乱高下しやすい金か、軽くて持ち運びが容易で景気に左右されにくいダイヤモンド、あなたは現物資産としてどちらを選択しますか?

ダイヤモンドならなんでもいいわけではありません。

資産価値が高く、価格上昇しやすいダイヤの選び方を知りたい方は個別相談をご利用ください。
とらしげが購入(投資)したダイヤを見せながら熱く語ります。購入先もご紹介します。

【まとめ】

ロシアへの経済制裁で、様々なものが値上がりすることが容易に予想できます。

では、我々の収入は増えるのか?

収入の伸び率よりも、支出の増加の方が勝りそうです。

つまり、財産が減っていく。

そうならないように対策しなければなりません。

インフレを見越した資産防衛を、有事ではなく今のうちから考え、実行に移しましょう。

食料品の買い溜めでは大した節約になりません。だったら家電や、思い切って資産運用の一つの手段として不動産や現物資産を持つことを検討しましょう。

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