HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)代表ファイナンシャルプランナーの重永です。
前回は「焼け太りは起こらない(実際の損害金額以上の保険金はもらえない)」という内容でした。
では保険金額はいくらに設定すればいいのか?
最近加入した人たちはよっぽど問題ないかと思いますが、数年更新していない人は保険証券をチェックしてみましょう。
【再調達価額(住宅の評価額)とは】
火災保険の保険金額を決める上で知っておきたいのが「再調達価額」です。
いま建っている住宅と”同等の住宅”を建てる費用のことです。再び調達しますからね。
ではこの再調達価額はどうやって算出するのか?
ケースバイケースですが、以下の通り。
戸建ての場合
新築
注文住宅の場合、工事請負契約書などに建築費が載っているはずです。
注文住宅ではない場合、土地代や諸経費を引いて算出します。
中古
「建築年」「建築年における建築費」「物価変動」から算出します。
マンションの場合
分譲マンションの購入額には土地代や廊下やエントランスなど共用部分の代金も含まれています。
そのため新築・中古にかかわらず、部屋の面積に建築費単価を掛けて計算します。
素人には難しい
新築は簡単ですが、それ以外は複雑です。
私のようなプロでないと計算できないでしょう。
もちろん保険屋さんもわかると思いますので、質問してみましょう。
【保険金額が再調達価額を超えないように】
これが正解です。
たとえば、建物を再調達(再建築)するのに3,000万円必要な場合、保険金額は3,000万円で契約するのが正解です。
同じ住宅に保険金額5,000万円の火災保険に加入していても、全焼した時に受け取れる保険金は3,000万円です。
保険金額2,000万円分の保険料が無駄になります。
逆に保険金額が少なすぎるのもよろしくありません。
再調達価額(住宅の評価額)を知ることは基本です。
【家財保険は?】
家財の評価額は家庭によって違うのは当然です。
国宝を持っている人以外は、よっぽど保険会社が示す平均を参考にすればいいでしょう。
世帯主が30代の3人家族で約1,000万円ほどとされています。
1個30万円以上するものは申告することを忘れずに。
【まとめ】
かつての火災保険は「パッケージ型」が多かったため、焼け太りが起こりました。
が、今では住宅に合わせて細かく補償を設定できます。
その分、複雑になってわかりにくい。
住宅の価値は下がります。なのに保険金額が高いままなのはいけません。
今回は保険金額についてのみでしたが、さらに「雪が多い地域」「川の近く」「静かな住宅街」「台風が多い地域」などによって入っておきたい特約もそれぞれです。
この話は次回。(ネタ温存)