HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)代表ファイナンシャルプランナーの重永です。

債務者が亡くなったら住宅ローンがチャラになる団体信用生命保険(団信)は有名ですね。

では自然災害に遭って住宅を失ってしまったらどうなるのか?

通常、住宅ローンはチャラにはなりません。

火災保険等で返済しなければなりません。

他の方法があることをご存知ですか?

それが「被災ローン減免制度」です。

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【被災ローン減免制度とは】

正式名称は「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」です。

これをわかりやすく、呼びやすく「被災ローン減免制度」としています。

自然災害によって、住宅ローンなど(事業性も可)の債務を、一定の条件を満たしていれば債務の免除・減額をしてくれる素晴らしい制度です。

家を失ったのに住宅ローンだけ返し続ける地獄を見ることはありません。

「一定の条件とは?」

・国の災害救助法が適用された自然災害限定

(2019年は「8月の大雨」「台風15号」「台風19号」が対象になった)

・ローンが返せない、返せる見込みがない

→目安として世帯年収730万円未満、ほかにも年齢や他の借金、住宅ローン返済額と新たな家の家賃などの総額が年収の40%以上になること等で金融機関が判断

・財産500万円以上持っていたら、500万円を超えた分を支払う必要がある

若くて平均的なサラリーマン家庭だったら該当するのではないでしょうか?

【被災ローン減免制度のメリット】

・二重債務を負わなくて済む

・手続きの費用は国が負担してくれる

最大500万円の現預金、家財地震保険金最大250万円、被災者生活再建支援金、災害弔慰金・災害障害見舞金などの公的な援助、義援金等の財産を手元に残せる

(昔は最大99万円の現預金だった)

・信用情報登録機関に事故情報(ブラックリスト)として登録されない

【被災ローン減免制度のデメリット】

あえて挙げるとすれば

・適用まで時間がかかる

・債務者本人が申請しなければならない

・知らない人が多い(周知されていない)

・債権者(金融機関)の同意が必要(よっぽど大丈夫)

【手続きの流れ】

簡単に言うと「住宅ローンを組んだ金融機関」に行き同意書を発行してもらう、次に「地元の弁護士会」に行き申請を代行してもらいます。

もし金融機関が同意書を発行してくれなかったら弁護士会に相談です。(無料だと思います)

申請の代行も国が費用を負担してくれるので無料です。

「新たに住宅ローン組めなくなるか心配」

信用情報登録機関に事故情報(ブラックリスト)として登録されないので、悪いことをしていなければ通常はローンを組めます。

「注意点」

銀行員でも知識不足で知らない人が多いと思います。

(私も現役銀行員時代は知りませんでした笑)

もしかしたら窓口で「ん?」となり、時間がかかるかもしれません。

テレビで特集して周知すればいいのにね。

【まとめ】

自然災害の多い日本は、こうした素晴らしい制度を用意しています。

が、周知されずに知らない人が多いのは問題です。

知らずに二重ローンに苦しむ人生なんて最悪です。

金融リテラシーを上げることは自分の身を守ることにも繋がります。