HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)代表ファイナンシャルプランナーの重永です。

前回は、わずかな値引きで大台を回避する「端数効果」でした。

今回は「段階価格(アンカリング効果)」です。

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【段階価格(アンカリング効果)】

事前に、ある数字を提示されると、無意識にその数字が基準(アンカー)となり、その後の行動に影響を受けてしまうのがアンカリング効果です。

これを価格設定に応用したのが「段階価格」という手法です。

例えば「5,000円」の品物を売りたい場合、「通常価格6,800円→特別価格5,000円」と表記することで、先に提示した「通常価格6,800円」が基準(アンカー)となり、「5,000円」という価格が「1,800円値引きされている=お買い得」という心理状態になり、購入するかどうか判断してしまいます。

このように「高い数字を印象に残し、その後に提示した金額を安く感じさせる効果」のことを「段階価格(アンカリング効果)」といいます。

【アンカリング効果の応用編】

最初に基準(アンカー)として提示する数字は、絶対に「価格」である必要はありません。

例えば、「1万人が購入した!」のように、価格を提示する前に“数字の入った文言”を提示しておくことも同じ効果が得られます。

すると、無意識のうちに「1万」という数字が価格じゃないのに基準(アンカー)になり、その後に「5,000円」と価格を提示することで、その商品を安く感じさせることができます。

先述のシンプルな段階価格の手法はよく使われていますが、この応用編を使っている人は少ないと思います。

【応用の応用】

応用編では価格以外の数字を基準(アンカー)にさせる手法でした。

この応用をさらに応用して、他の商品の価格を基準(アンカー)にしちゃいましょう。

飲食店などでメニュー表を見ると、たまに「安いメニューから順に並べている」ことがあります。この段階価格(アンカリング効果)を使いたいならば“高額なものから順に”並べたいですね。

そうすることで、最初に登場した高額な商品を基準(アンカー)にし、次に登場する商品の価格を安く感じさせます。

横書きメニュー表なら上から順に高額なものを、縦書きなら右から順に高額なものを並べます。

人間の視線は通常、下から上に移動しません。上から下に動きますよね。

【あー松竹梅ね】

「松竹梅」の話題になると思いませんでしたか?

実は段階価格と似ているようで、ビミョーに違う心理効果を与える手法なのです。

「松竹梅効果」は、心理学の専門用語で「極端性回避の法則」といいます。

これは次回の記事で解説します。

【まとめ】

最初のシンプルな段階価格(アンカリング効果)を知っている人は多いと思います。

応用はどうでしょうか?

「この商品を注文させたい」と思ったら、メニュー表のどこにどのように配置すれば注文される確率が上がるかがわかります。

たかがメニューと思っていてはいけません。

私たちの生活の中でも、気付かないうちに操られているのかもしれませんね。

経営者は顧客の行動を操れるようにしましょう。