HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)の重永です。

人はなぜお正月に福袋を買ってしまうのか?

購買心理をうまいこと突いてきています。

買うなとは言いません。ただ、本当に必要なものか考えてください。

Sponsor link

広告

広告

【福袋の歴史】

福袋の歴史については、大丸松坂屋さんの記事を参考にさせていただきました。

「江戸時代誕生説」と「明治時代誕生説」があるようです。

「江戸時代誕生説」

江戸時代に日本橋の呉服店「越後屋」が1年の“裁ち余りの生地”を袋に入れて「恵比寿袋」として販売した江戸時代誕生説です。

大丸の前身となる「大丸屋」も同じように端切れを入れた福袋を販売していた記録があるそうです。

このときから福袋というのは「在庫処分」だったのですね。

考えた人は天才だと思います。

「明治時代誕生説」

上記の江戸時代誕生説が確認されるまでは明治時代に松屋や松坂屋の前身が福袋を売り出したという記録があるそうです。

「多可良函(たからばこ)」など、呼称は様々。

「昭和以降に広まった」

意外と最近、昭和以降に全国の百貨店で福袋が売り出されました。

近年では服に限らず、なんでもかんでも福袋が存在していますね。

中には商品ではなく、なにかの体験をする等のサービス自体を福袋にしているものもあります。

【福袋に応用されている心理学】

福袋には大きく分けて3つの特徴があります。

それは

・在庫処分で激安
・中身が見えない(不確実性)
・セット販売

人間は損することを無意識のうちに避けます。

中身が見えないものにお金を払うことを嫌います。

しかし、福袋は買ってしまう。

福袋には、不確実性を上回るメリットがあるのです。

「段階価格(アンカリング効果)」

これに近いです。

「段階価格について」はこの記事で解説しています。

中身は見えないとはいえ「2万円分の商品が入って1万円!」というように、お得感を演出しています。

「2万円」を基準(アンカー)にして、「1万円」を安く感じさせる手法です。

福袋=お得!と思ってしまいますよね。

たしかにお得ですが、在庫処分ということは人気のない商品が入っていることでしょう。

それでいいなら買いましょう。

「不確実性を超える抱き合わせ効果」

人間は利益よりも損失を被る方が数倍も重く感じます。

「プロスペクト理論」についてはこの記事で解説しています。

「変なもの、不要な物、価値のない物が入っているかもしれない」という不安から、中身が見えない不確実性なものを基本的に人は嫌います。

なのに福袋はなぜ売れるのか?

これを超えるほどのお得感を演出しているからです。

福袋といえば、中に複数種類の商品が入っています。

“セット販売”ですね。これを抱き合わせ効果といいます。

「サンキューセットの魔法「抱き合わせ価格(効果)」を解説」

売り手側は在庫処分ができる、買いて側は選ぶ手間が省けてお得というように、双方にメリットがあります。

中には目玉商品があり、それと一緒に人気のない商品もセットにすることができます。

「松竹梅の法則」

福袋にも種類があると思います。

大きい袋、小さい袋など種類を分けて販売することで消費者を操ることも可能です。

最も売りたい袋(利益率の高い袋)を真ん中に設定して、上下に高い袋と安い袋を用意すれば「松竹梅の法則」が働き、真ん中の袋が売れやすくなります。

「値段設定の基本:松竹梅の法則(極端性回避の法則)で顧客を操る」

【まとめ】

福袋には購買意欲を駆り立てる心理学的要素がギュっと詰め込まれています。

買うことを否定しませんが、本当に必要なものか冷静に考えてから購入しましょう。

私は買わない派ですが、マクドナルドの福袋は欲しいです。。(ポテトが揚がったときに鳴るティロリ♪ティロリ♪と同じ音楽が流れるキッチンタイマーが入ってるから)

いや、冷静に考えたら不要です。