HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)代表ファイナンシャルプランナーの重永です。

今年は特に台風の被害が目立った年でした。(まだ10月なのに総括)

災害が起きると、寄付をする人も多いのではないでしょうか?

私は「やらない善よりも、やる偽善」と思い、日本ホスピタルクラウン協会へ毎年売上の一部を寄付しています。

よく、被災地へ寄付している芸能人へ「公表せずに寄付しろよ」という人もいますが(こういう悪口を言ってる奴は寄付したことないのでしょうね)、公表することで寄付をみんなに呼びかけたり、風化させないことを目的としています。

私も協会の素晴らしい活動を知ってほしい意図があります。(なので名刺にも書いています)あわよくば好感度も上げたい。

今回は寄附金について、税金はどうなるのか?義援金・支援金との違いは?ということを解説します。

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【寄附金・募金・義援金・支援金の違い】

「寄附金」

「付」なのか「附」なのか、公的機関や法律の場面では「附」を使いますが、日常生活では「付」でいいそうです。

今回は税金(法律)のことも話しますので、かっこいいし寄附金については「附」でいきます。

寄附金とは、NPOや自治体(行政)などの“被災者支援活動をする団体”へのお金です。

主に公共の道路などを復旧する支援事業のために使用されることが多いです。

「募金」

いちばん馴染みのある言葉ではないでしょうか?

寄附金を広く一般から募るお金のことです。

募ったお金は寄附金として先述のNPOなどで使われます。

「義援金」

寄附金とは異なり、被災者などに“直接”渡されるお金です。

被災者へ平等に渡すためには、災害や事故から時間が(かなり)経過してから配布されることがデメリットとして挙げられます。

「支援金」

被災地などで復旧活動を行うNPOなどの団体へのお金です。

寄附金は行政にもお金が渡りますが、支援金は行政よりも小回りが利くので、そういう意味では迅速に被災地復興のためのお金になります。

【寄附金控除】

一定の条件を満たせば、納めるはずだった税金が安くなります。(難しかったら次の【年収500万円の人が寄付するとどうなるか?】に飛んでね)

たとえば街頭で募金活動をしている人へ現金1,000円を渡しても、それは寄附金控除の対象にはなりません。。

「義援金は控除の対象にならないのか!?」これも一定の条件を満たせば“特定寄附金”として寄附金控除の対象になります。

寄附金控除には「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。

よっぽど後者の「税額控除」の方が有利になります。これは後ほど解説します。

「寄附金控除額(所得控除額)の算出方法」

1月1日から12月31日までの1年間に支出した“特定寄附金”の合計額から2,000円を差し引いた金額が「寄附金控除額」です。

出典:国税庁ホームページ

※特定寄附金の額の合計額は所得金額の40%相当額が限度

「寄附金特別控除額(税額控除)の算出方法」

1月1日から12月31日までの1年間に支出した“寄附金”の合計額から2,000円を差し引いた金額の40%が「寄附金特別控除額」です。

出典:国税庁ホームページ
出典:国税庁ホームページ

※上記寄附金の額及びその他の特定寄附金の額の合計金額は所得金額の40%相当額が限度

※また、上記寄附金特別控除の合計額はその年分の所得税額の25%相当額が限度

「寄附金控除と寄附金特別控除の違い」

認定NPO法人等又は一定の要件を満たす公益社団法人・公益財団法人に対する寄附金を支出した場合には、上記(1)の寄附金控除に代えて、寄附金特別控除の適用を受けることができます。

【年収500万円の人が寄付するとどうなるのか?】

「所得控除の場合」

1万円寄付

1万円ー2,000円=8,000円

8,000円×10%(所得税課税所得195万〜330万とする)=800円

1万円寄付して800円税金が安くなります。

10万円寄付

10万円ー2,000円=98,000円

98,000円×10%(所得税課税所得195万〜330万とする)=9,800円

10万円寄付して9,800円税金が安くなります。

「税額控除の場合」

1万円寄付

(1万円ー2,000円)×40%=3,200円

1万円寄付して3,200円税金が安くなります。

10万円寄付

(10万円ー2,000円)×40%=39,200円

10万円寄付して39,200円税金が安くなります。

「税額控除の方が有利」

全ての寄付で税額控除を選択できるわけではありません。

個人が「認定NPO法人等又は一定の要件を満たす公益社団法人・公益財団法人に対する寄附金を支出した場合」に寄附金特別控除の適用を受けることができるので、税額控除を選択できます。※国税庁ホームページより抜粋

テレビで呼びかけているのはこっちが一般的で、個人の人はよっぽど税額控除できます。

「住民税も控除される場合もある」

あなたが住んでいる都道府県・市区町村が指定した寄付をした場合は、なんと住民税も安くなります。(条例で定められているので行政に確認してください)

例えばこれに該当するところに1万円寄付する場合、

(1万円ー2,000円)×10%=800円

住民税額から800円控除されます。(税額控除)

所得税(税額控除)3,200円と合わせて4,000円税金が安くなります。

【確定申告が必要】

サラリーマンの場合、寄附金控除を受けるためには確定申告が必要です。

今の時代、ネットでチョチョイのチョイです。

注意したいのは、寄付したことの証明書が必要なことです。

なので、街頭募金やチャリティーオークションなどは寄付したことの受領書をもらえないので寄附金控除の対象にできません。

証明書を提出して年末調整で手続きしてくれるようになれば、もっと支援の輪が広がるのになーと思うのですが。。偉い人、なんとかしてください。

【まとめ】

1万円寄付して4,000円も税金が安くなること、ご存知でしたか?

災害大国の日本、明日は我が身です。

もちろん、税金を安くするための寄付ではありませんが、せっかく税金が安くなるなら受けておきたい制度です。

なんなら安くなった分また寄付すればいい。

助け合いの輪が広がるといいなあと思います。