HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)の重永です。

非正規労働者はバブル崩壊後に急激に増えました。

不況のため企業が正社員をリストラして賃金の安いパートや派遣社員に置き換えたり、好きな時間だけ働くために自ら非正規社員を選択する人が増えたことなど、様々な要因があります。

ついに2020年4月1日から新しいルールが施行されます。(中小企業は2021年から)

決していいことばかりではないこと、みんなに関係あることを知っていただきたいです。

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【同一労働同一賃金とは】

その名の通り「同じ労働をしている人たちは同じ賃金にしなきゃダメ」というルールです。

具体的には正社員と比較して、パート社員・契約社員・派遣社員の賃金について「不合理な待遇差を設けること」を禁止します。

すでにEUではこの「同一労働同一賃金の原則」が位置付けられています。

というのも、移民が多い国では性別や人種などを理由にした差別が横行し、それが賃金差別にも繋がっている実態がありました。

日本よりもはるかに早い1990年代には正当な理由なく差別的な待遇をしてはならないという法律ができました。

【日本の非正規社員の数は?】

総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2019 年(令和元年)平均(速報)」によると、

2019年は正規の職員・従業員数は3,494万人、非正規の職員・従業員数は 2,165 万人とのことです。

労働市場全体の約40%が非正規雇用ということです。

この人たちの給料が上がるとどうなるのでしょうか?

【メリットとデメリット】

「企業側のメリット」

・優秀な人材を確保できる

今までよりも待遇改善されれば労働者もやる気が出て生産性が上がることが期待できます。

待遇面の不満を理由に他社へ転職することも少なくなるでしょう。

「企業側のデメリット」

・人件費の増加

経費は膨らみますが、働きに対して正しい評価をつけるのは当然ですよね。

企業側には「仕事ができないから」という理由(極端だけど)で解雇する権利もつけてあげないとかわいそうな気がします。

そうでないと金食い虫に寄生されて企業の足かせが増えてしまいます。

・新たな人事評価の構築が大変

正社員と同一労働なのに給料が低い場合は、なぜそうなのかを説明しなければならなくなります。

法律が変わるタイミングでの運美や仕組みを作る工程に加えて、個々で対応しなければならないケースも出てくるでしょう。

・人材不足になる可能性

「年間いくらまで」しか働けない事情の人もいます。

たとえば配偶者控除のために働く時間をセーブしている主婦の時給が上がれば、働ける時間も少なくなり、新たに人材を確保しなければなりません。

「労働者側のメリット」

・非正規社員の賃金が上がる

企業に貢献している労働に対する賃金は見直される可能性が高いです。

・やる気向上

「非正規だから」という差別的理由が撤廃され、キャリアアップの意欲が湧きます。

「労働者側のデメリット」

・正社員の給料カットが考えられる

不当に高い給料をもらっていた正社員は、これが見直されます。

残業代や休日出勤手当てをアテにしていたら困りますね。

(社会にとっていいことだと思いますが。。)

・派遣切り

既存の非正規社員を解雇したり、契約満了のタイミングで更新しない可能性も考えられます。

さらに、非正規社員の新規雇用も減るでしょう。

【まとめ】

「非正規の人にしか関係ないでしょ」と思っている正社員のあなたにも影響は出てきます。

いい仕事をしたら正当な評価を受けられるようになるのは素晴らしいことです。

今までの給料が当たり前だと思ってライフプランを組んでいる人は要注意です。

すでに終身雇用は崩壊しています。

サラリーマン・公務員も自分で副収入を作る時代ですよ。

なにがいいか?資産形成コンサルタントに相談しにきてください。

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