HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)代表ファイナンシャルプランナーの重永です。
“奪い合う”のではなく“育てる”投資ができるサービス「ソーシャルレンディング」、今回はメリットとデメリットをご紹介します。
【ソーシャルレンディングのメリット】
「高い利回りが期待できる」
超低金利時代の今、ソーシャルレンディングの平均利回りは7〜8%といわれています。
つまり順調に平均利回りで複利運用すれば約10年で投資元本は倍になります。
・なぜ高利回りなのか?
個人投資家への利回りが高いということは、ソーシャルレンディングを利用する企業への貸出金利が高いということです。
貸出金利が高い理由は、融資を受ける企業が何らかの理由で銀行等から融資を受けられないからです。
財務状況はいいのに「創業して間もない」「借入期間が短い融資」「少額融資」などの理由で、銀行から融資を受けられない企業がソーシャルレンディングを利用します。
当然、通常銀行から受ける融資の貸出金利よりは高くなります。
これが貸出金利が高い理由です。
とは言うものの、借りる側の企業の返済能力は厳しく審査されています。
銀行と審査するポイント(重点)が違うということです。
「投資初心者がプロのカモになることはない」
FXや株式投資のような価格変動が激しい投資は、はっきり言って初心者はカモです。
命を懸けてやっているプロに、“奪い合い”で勝てるわけがありません。
一方ソーシャルレンディングは“奪い合い”の投資ではなく“育てる”投資です。
つまり他の投資家と競わない(奪い合わない)投資なのです。
極論、プロと初心者がたまたま同じ投資先に同額の元本を投資した場合、運用成績は全く同じになります。
「ほったらかしでOK」
ソーシャルレンディングはFXや株式投資のように“元本の価格変動”がありません。
定められた運用期間が終わるまで、基本的には何もする必要がありません。
途中でデフォルトする可能性もありますが。。
「比較的高い保全性のある金融商品」
クラウドポートによると、2018年1月25日現在でソーシャルレンディングにおける過去3年間の貸し倒れ率は1.47%とのことです。
比較的高い保全性がある金融商品といえます。
とは言うものの、あくまで過去のデータなので今後デフォルト(貸し倒れ)する可能性は0ではありません。
最悪のシナリオを避ける方法は色々とあります。
高い利回りだけに惹かれて投資していたら、デフォルトに遭遇する可能性は自ずと高くなります。
【ソーシャルレンディングのデメリット】
「デフォルトのリスクがある」
ソーシャルレンディングならではのリスクです。
借り手である企業へ融資するというサービスの構造上、借り手である企業が返済不能に陥った場合、投資元本の一部また全部が返ってきません。
いわゆる貸し倒れ(デフォルト)が最大のリスクです。
「満期償還が遅れるリスク“返済遅延”」
投資したら基本的には満期までほったらかしなのがソーシャルレンディングの特徴でもあります。
しかし、借り手である企業が満期までに償還を行うことができない(返済遅延)と、満期償還の期日が後ろ倒しになるリスクがあります。
先述のデフォルトリスク(貸し倒れ)とは異なり、返済遅延は満期償還が先送りになるだけで、将来的に元本を償還してくれます。
「一発ドカンとは増えない」
ソーシャルレンディングはFXや株式投資のように“元本そのもの”が価格変動するものではありません。また、レバレッジをかけることもできないので投資は、元手資金を数倍にすることも可能です。
しかし、ソーシャルレンディングでは高くとも利回り12〜13%ほどです。
元本の価格変動がないため、大きな損失を被りづらい一方で、一攫千金は狙えません。
コツコツと安定的に運用し、着実に利益を重ねていく投資商品であると認識しましょう。
「流動性が低い」
“流動性が低い”とは、すぐに現金化することが難しいということです。
銀行預金はいつでも引き出せるので、“流動性は高い”といえます。
ソーシャルレンディングは融資という性質上、基本的には満期まで資金を引き出すことはできません。
先述の通り、もしも返済遅延が起きたら資金んを引き出せるのが満期よりも先になります。
必ず余剰資金で投資するようにしましょう。
【まとめ】
「投資とはFXや株式投資だけだ!」と思っている人はいませんよね?
ソーシャルレンディングのように、自分が銀行になったつもりで行う投資もあります。
どんな投資にも共通して言えますが、その投資方法について他人に説明できるくらい理解すること、メリットデメリットも把握すること、余剰資金で行うことが重要です。
これができない(時間がなくて)けど資金を運用したい人はプロに任せましょう。
でないとプロにカモられたり、デフォルトして終了です。