HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)の重永です。

年末ジャンボ宝くじ、買う派ですか?

それとも「買わなきゃ当たらないじゃん」と言う人を心の中で嘲笑う派ですか?

私はこれらの議論をニヤニヤしながら眺めている派です。

今回は投資と投機(ギャンブル)の違いという観点から、身近な宝くじから考察していきます。

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【宝くじの還元率(期待値)】

公式サイトが発表している平成30年度のデータによると

出典:宝くじ公式サイト

・販売実績8,46億円
・当選金3,745億円(46.5%)
・収益金3,071億円(38.2%)
※公共事業等に使われます
・印刷経費1,127億円(14%)
・社会貢献広告費103億円(1.3%)

このデータから、期待値は46.5%という答えが出ています。

というのも、宝くじは「当せん金付証票法第5条」によって「当せん金付証票の当せん金品の金額又は価格の総額は、その発売総額の五割に相当する額をこえてはならない」と定められています。

つまり買った時点で半分未満の期待値になることは法律で決まっているのですね。

【公営ギャンブルの方が期待値が高い】

「競馬」

運営しているJRA(胴元)がレース開催にかかった経費などのために掛け金の一部を取り分としてもらいます。

これを控除率と呼びます。

控除率は20%〜25%の間で推移するようになっているようです。

つまり、残った75〜80%をみんなで奪い合うということです。

宝くじよりはいいですね。

「競艇(ボートレース)」

競馬と同じく控除率はおよそ25%です。

掛け金に対して全額回収できる人は、予想が上手と言えますね。

「プラマイ0だったわー」という人は、実は25%増やしているのです。

回収率75%を切っている人は引退しましょう。

【投資の還元率】

日本国内の普通預金に預ければ1年で100.001%の還元率です。

先述のものと比べればとてもいいように思えてきます。

アメリカのインデックスファンド(投資信託)なら105%程度は期待できるでしょう。

期待値は低いけど1発ドカンと増える可能性がある“奪い合いの投資”か、期待値が高いがジワジワとしか増えていかない“育てる投資“、あなたならどちらを選びますか?

【なぜ”当選“ではなく”当せん“なのか?】

おまけです。

宝くじには”当せん“という表記が使われます。

なぜ”選“という漢字ではないのか?

本来は”当籤“という漢字を使うそうです。

この”籤“という字は「くじ(訓読み)」と読み、「割り当て情報が明らかにされていないものを対象者に選択させること」という意味があります。

宝くじはまさにこれに該当するので”当籤“を使うのが正解です。

ではなぜ”ひらがな“なのか?

昔のテレビや新聞では漢字が難しすぎて、当時のフォントでは変換されなかったそうです。

”当選“は間違っているし、仕方なくひらがなにしたんですね。

この当時の名残が残って、今でもひらがなが使われています。

当選は選挙で使われますね。

これは「みんなが対象者を選ぶ」から”選“という字が使われています。

【まとめ】

宝くじの期待値は公営ギャンブルより低いことがわかりました。

「夢を買う」ために1万円程度購入するならいいと思いますが、数十万円数百万円購入するのは期待値から見てもどうかと思います。

そして、長期的に見れば期待値に収束していくので奪い合いよりも育てる投資をした方がいいのではないでしょうか。

資産形成は時間を味方につけるととても有利です。

今すぐ行動しましょう。