HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)の重永です。
結婚にかかるお金は以前の記事で紹介しました。
今回は出産時にもらえるお金についてです。
共働きだからこそもらえるお金もあります。
取りこぼさないようにしましょう。
【出産育児一時金】
皆さんご存知の出産育児給付金です。
国民健康保険の加入者も、会社で健康保険に加入している人も、もちろん両方とも支給対象です。
自治体(国民健康保険)または勤務先の健康保険組合、協会けんぽ、共済組合等から支給されます。
「制度の詳細」
妊娠4ヵ月(85日)以上の方が出産したときは、一児につき42万円(産科医療補償制度の対象外となる出産の場合は39万円(平成27年1月1日以降の出産は40.4万円))出産育児一時金が支給されます。
ほとんどの医療機関では、保険証を窓口に提示して、「出産育児一時金の申請・受取に係る代理契約」を締結すればOKです。
なので、もらい損ねる人はいないでしょう。
【出産手当金】
出産一時金とは担当機関が違います。出産する本人の勤務先の健康保険組合、協会けんぽ、共済組合等です。
共働き世帯が知っておきたい制度ですね。
出産手当金は、出産する社員の給与によって異なります。
支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)
「計算例」
月収25万円、賞与年2回各30万円
標準報酬月額を平均した額=30万円
300,000÷30=日額の平均額10,000円
10,000円×0.666=日額平均の3分の2なので約6,660円(10円未満切り捨て)
6,660円×98日=652,680円(支給総額)
給与が発生しない期間の休業補償として、原則98日間を対象にして支給されます。
出産予定日より遅れたとしても、その日数分きちんと支給されます。
「退職者でももらえる!?」
原則は被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合に支給されるものですが、以下の要件を満たしていれば支給されるそうです。
①退職日から遡って、1年以上継続して健康保険に加入している(パートでもOK)
1年以上勤務しているのであれば大丈夫ですが、退職の前日までに1日でも空白の期間があると対象外になるので注意が必要です。
②退職日が出産手当金の支給期間内である
原則、出産予定日の42日前から出産後56日目までの98日間が出産手当金の支給期間です。
退職日がこの支給期間内に入っていればOKです。
③退職日に勤務していないこと
会社の人事部の人と話し合って退職日を慎重に決めましょう。
【育児休業給付金】
こちらは雇用保険から支給されます。
「対象者」
①雇用保険に加入している
②1歳未満の子供がいる(原則)
1歳6か月または2歳まで支給期間を延長できることがあります。
③育休前の2年間で、1ヶ月に11日以上働いた月が12カ月以上ある
正社員で働いている人はよっぽど問題ないでしょう。
パートや契約社員での人は注意ですね。
④育児休業期間中の各1ヶ月ごと、育児休業前の1ヶ月の賃金の8割以上が支払われていない
毎月25万円もらっていた人が育児休業中に毎月20万円以上の賃金をもらっていると給付金を受けられないということです。
⑤育児休業期間中に就業している日数が各1ヶ月に10日以下である
育休中は1ヶ月に10日以上働いてはいけません。
ママだけではなく、パパも支給されます。
交代で育児休業を取れたらいいですよねえ。
「支給額」
労働者の育児休業開始時賃金日額×支給日数(通常30日)の67%
(育児休業の開始から6ヶ月経過後は50%)
育児休業開始時賃金日額
事業主の提出する「休業開始時賃金月額証明書」にある金額の休業開始前の6ヶ月の賃金を180(6ヶ月×30日)で割った金額
直近6ヶ月が月平均30万円だとすると
30万×0.67=10万円
6ヶ月経過後は
30万×0.5=15万円
【まとめ】
仮に出産のために退職する場合、退職日を1日間違えるだけでもらえるはずだった数十万円がもらえなくなることもあります。
多くの従業員を抱える企業にお勤めの人は問題ないかと思いますが、そうでない人は自分でも勉強しておきましょう。
もちろん出産はゴールではありません。これからかかるお金、もらえるお金の勉強をして資産形成を計画的に進めましょう。