HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)代表ファイナンシャルプランナーの重永です。

みなさん、月に何回ATMを利用していますか?

「お金おろしてから行くわ」と言う友人も多いです。

多い人は週に1回ATMを利用している人もいるでしょう。

そんな日常が変わるかもしれません。

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【日本の現金流通比率は極めて高い】

日本は諸外国(先進国)に比べて現金の流通比率が極めて高いです。

ダントツやんけ

東京オリンピックに向けてキャッシュレス決済普及を進めていますが、いまだに現金派の人が多いのが現状です。

「こんな少額でカードを使うのは申し訳ない。。」という日本人の謎理論。

私はコンビニでガムを買う時もカード決済(QUICPay)です。

日本でキャッシュレス化が進まない理由として考えられるのは以下の通り。

・現金の信用力が極めて高い(偽札が少ない)
・いつでもどこでもATMがあり、現金引き出しに困らない
・キャッシュレスを開始する手続きが面倒
・カードだと使い過ぎてしまうか心配

こんなところでしょうか。

高度経済成長期、銀行がコストをかけて頑張って普及させたATMが、現代になって銀行の首を絞める事になりかねない事態に陥っています。

【ATMの歴史】

「歴史」

「オートマチック・テラー・マシン」を略してATMと呼びます。

銀行の窓口業務を機械が代行するということです。

今のATMは預金の引き出し、預け入れ、振り込みができますが、昔はCD(キャッシュ・ディスペンサー)と呼ばれる「現金払い出し機」でした。

CDは1965年にイギリスで誕生しました。

当時は引き出し金額を指定できませんでした。そのため「10ポンドが袋詰めされたもの」が機械から出てきたそうです。

このATMの前身であるCD(1,000円札10枚の袋出し)が日本に導入されたのは1969年12月、1971年には、現在のようなお札が一枚ずつ出てくるCDが導入され、さらに同年、各CDと銀行をオンラインで繋ぎ、個人向けサービスがスタートしました。

「日本では三井銀行が先駆け」

先述のCDが導入されたきっかけは週休2日制だったそうです。

現代のように現金以外の決済方法がなかった時代、土日に現金がなかったら絶望ですよね。

そんな困りごとを解決することがきっかけでした。

日本では1971年に三井銀行が365日24時間稼働するDCを導入し、他の銀行も追従しました。

「豆知識」

当初は年中無休24時間稼働していましたが、1973年のオイルショックで金融機関の週休2日制が無期延期(サラリーマンの脱ゆとり?)されました。

この流れでCDの年中無休サービスも中止され、年末年始などにはATMが使えない銀行が多いのはこの時の名残が残っています。

まあ、よっぽどコンビニで引き出せるけどね。

【ATMの現状】

CDからATMになり、日本では現在、約20万台のATMが稼働しているそうです。

そのATM維持にかけるコストは年間1兆円近くとのこと。

このコストは誰が負担しているのか?

もちろん私たち顧客ですね。引き出し手数料に限らず色々ね。

ATMって「古いシステムだなあ」「機械が古いなあ」と感じませんか?

液晶に出てくる謎の絵とか、なんか古いですよね。

ほとんどのATMが、大量に普及した時代(〜バブル期)のままです。

なぜ新しくしないのか?

コストがかかるから。

そして今のタイミング、キャッシュレス決済が普及する波が感じられるのにコストをかけてATMを整備し直すでしょうか?

私が銀行の偉い人だったら、壊れて使えなくなったATMは修理せずに廃止します。

【現金流通を減らす事でテロ対策になる】

日本で流通している紙幣の9割近くが1万円札です。

これが国際社会で問題視されていることをご存知ですか?

いわゆる“高額紙幣”が、脱税、麻薬、武器密売、売春などの犯罪を支えています。

現金は資金の流れに証拠が残りません。(AさんがBさんに内緒で小遣いをあげてもお母さんは把握できない)

逆にキャッシュレス化が進んで現金流通が減れば、資金の流れを把握できる(証拠が残る)ので悪い事ができなくなります。

つまり、現金流通を減らすことはテロ対策の一環となります。

【新紙幣発表の意図】

2019年4月9日に麻生さんが「5年後に新紙幣にするよー」と発表しました。

新紙幣に描かれて人物についても後日書きます

なぜ5年も前に発表するの?

「改元の祝賀ムードに便乗」「スキャンダルとか色々あったから明るい話題を!」など様々な憶測が飛んでいました。

2004年に今の紙幣になった際には、その2年前に「新紙幣にするよー」と発表されました。

あえて5年も前に発表する意図として、現金流通量を減らすことが考えられます。

先述の通り、ATMには莫大なコストがかかっており、機械自体も古いです。

新紙幣になるとATMのシステム改修をしなければなりません。

またコストが、、、だったらこのタイミングでATMやめよ。ってなりませんか?

ATMが減れば、現金主義者たちは不便ですよね。

不便だとキャッシュレス決済せざるを得ません。

新紙幣→ATM減少→不便→キャッシュレス普及→現金流通量減少→犯罪減少

という思惑があるかもしれませんね。

「銀行よ、5年やるから準備しといてくれ」って感じでしょうか。

【まとめ】

ATMは生活を便利にするために普及しました。

時代は進み、ATMに行く、並ぶ、手数料を払いたくない、さらなる利便性が求められ、キャッシュレス決済普及が進んでいます。

どんどん便利な世の中になります。

一方で、不便なものは姿を消します。

政府は無駄なことはしないでしょう、私たちよりはるかに頭がいい人たちですから。

5年前に新紙幣の発表をしたことで、どうなるか楽しみですね。

時代に乗り遅れないように、キャッシュレス化を進めましょう。