HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)の重永です。
今日にもアメリカが利下げを発表すると騒がれていますね。
日本の経済はアメリカとの貿易が盛んなので関係が深いです。
アメリカ経済の景気次第で、日本の株価や為替(ドル円)にも影響を及ぼします。
なぜなのか?解説していきます。
外貨建て(とくに米ドル)で資産形成・運用している人はスルーしちゃダメですよ。
【利下げとは】
そもそも利下げって何?
その国の中央銀行(日本は日本銀行、アメリカはFRB)が“政策金利”を引き下げることです。
この政策金利が下がるとどうなるのか?
まず市場金利が下落して企業や個人がお金を借りやすくなります。すると企業は積極意的に借金をして設備投資をします。個人も「今のうちに住宅ローン組んで家買うか!」などとなり、個人消費が活発になります。
景気がよくなりますよね。
利下げというのは、基本的には景気がよろしくない時に経済を活性化させる目的で行うことが多いです。
ただし、限界に達してその効果が期待できなくなったときは、量的緩和などの別の対応をとる必要が出てくることもあります。(日本のように)
利下げが行われそうな国の通貨が売られることがよくあり、通過安の原因となっているとも言われます。
「FRBとは」
日本語では連邦準備制度、アメリカの中央銀行制度です。
政治とは別で機能しているはずですが、こないだトランプさんがめっちゃ文句言ってますね。。
【今回の利下げ理由】
先ほども書きましたが、利下げは景気がよろしくない時に実施します。
アメリカ経済は好景気と言っていいでしょう。直近の雇用統計も良かった(失業者が少ない)ですしね。
なのになぜ利下げするのか?
一応「予防的利下げ」と言われています。が、トランプさんの発言がきっかけではないかと。
というのも、トランプさんがホワイトハウスでの会見時に、政策金利の「大幅な引き下げ」を要求しました。
FRBがこんなに政策を引き締めていなければ、アメリカの経済成長はもっと強かっただろうと述べ、「私は米金融当局に非常に失望している」と直接攻撃(口撃)しました。
あくまでトランプさんの発言はきっかけであり、本当の理由は「景気の下振れリスク回避」のため。
ご存知の通り、貿易戦争中ですね。(一時休戦するって言ってるけど)
貿易戦争の背景では、企業の設備投資に減速懸念があります。
実際にアメリカ製造業の景況感指数は、6月には2年8か月ぶりの低水準に、4~6月の設備投資は、トランプ政権になってから初めてマイナスに転じました。
企業に設備投資してもらうには、利下げが有効です。
日本のように後手に回って失敗しないようにするのは、正解かもしれませんね。
知らんけど。
【米国が利下げする場合の日本への影響】
為替レートというのは各国間の金利差で決まります。(他にもあるけど、ほとんどコレ)
日本はゼロ(マイナス)金利と金融緩和を続けており、ずっと利上げを続けていたアメリカの金融政策の差は大きいです。
現在の108〜110円というドル円は、この金融政策の差と言っていいでしょう。
もしアメリカが利下げすると、この金利差は縮まっていきますね。
すると為替レートは現在より大きく円高ドル安になるでしょう。
「いくらになる?」と思われた方は、クルーザーに乗っている写真をSNS載せている人(「FXで仕事辞めました!」ってプロフィールに書いてる人)に聞いてください。
前回、アメリカが利下げしたのは10年半前です。
その時も円高ドル安に動きましたね。とんでもないくらい。。
【日銀の動き】
こうしたアメリカの動きがあることから、日本の中央銀行である日本銀行は金融政策決定会合を開きました。
結論は「現状維持」と昨日の会見で発表しましたね。
ただ、日本の物価上昇が失速するおそれが高まれば「躊躇(ちゅうちょ)なく、追加的な金融緩和措置を講じる」との文言も付け加えました。
欧州も9月に利下げしよっかなーと言っていますので、「円高ドル安、ユーロ安」になってしまいます。
さらに10月には消費増税が予定されていますので、日銀としてはマジでピンチな時のための切り札を残しておきたいですよね。
【まとめ】
・利下げすると企業も個人も消費が活発になり好景気になる
・外国が利下げすると円高が進む
とりあえず、これだけでも伝われば幸いです。
今から短期でドル建・ユーロ建で資産運用をスタートする人は注意が必要ですね。
長期的に見ればそんなに影響はありませんが、短期だとこの為替の値動きは影響大となるでしょう。
9月頃の米国と欧州の利下げ、10月の消費増税後、経済は、為替はどうなっているのでしょうか
大切なお金、浅はかな知識で投資してはいけません。
プロ(の重永)に相談しましょう。