HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)代表ファイナンシャルプランナーの重永です。
マーケティングの基本です。(いつからコンサルブログになったんだ)
投資にもつながってくるので解説していきます。
【損失回避の法則(プロスぺクト理論)とは?】
100万円を手に入れる喜びと、100万円を失う悲しみ。どちらも同じ100万円なのに後者の失い悲しみの方が大きく感じることを行動経済学ではプロスペクト理論といいます。
簡単に言うと「人は得するよりも、損したくない思いが強い」ということです。
研究結果では2.25倍ほど強いそうです。
プロスペクト(prospect)は日本語で「期待、予想、見通し」ですね。
この理論は2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
みなさんも下記の質問を、自分だったらどちらを選ぶか考えてみてください。
「質問1」
A「50万円を100%もらえる」
B「50%の確率で100万円もらえる」
どちらか選んでください。
「質問2」
A「50万円を100%の確率で失う」
B「100万円を50%の確率で失う」
どちらか選んでください。
「質問3」
あなたは現在50万円の借金を抱えています。
A「50万円の借金を100%の確率で借金を半分にする」
B「50%の確率で借金を0円にする」
どちらか選んでください。
「質問4」
A「コイントスで表が出たら5万円もらえる」
B「コイントスで裏が出たら3万円支払う」
この闇のゲームに参加しますか?
「質問1解説」
この質問をしたところ、多くの方はAを選びました。“1円ももらえないリスクを背負う”よりも確実にもらえる50万円を選ぶわけですね。
注目したいのは、どちらも期待値は50万円ということ。
「質問2解説」
多くの方はBを選ぶそうです。確実に50万円失うよりも、全く損をしない可能性がある方を選ぶそうです。
これも注目したいのは、どちらも期待値はマイナス50万円ということ。
「質問3の回答」
Bを選ぶ人が多いそうです。
人間はリスク(借金)を残したくない(損失を回避したい)ので、確実に借金を半分にするよりも50%の確率で借金をチャラにしたい思考が働くそうです。
「質問4の回答」
Aが多いそうです。
5万円得するのと3万円損する、バランスは明らかに得する方が上です。
それでも参加しない人が多数という実験結果があるそうです。それほど損することの恐怖が強いんですね。
いかがでしたか?
人間は無意識のうちに
・得する可能性がある状況では、“利益を逃すリスク(損失)”を回避したい
・損する可能性がある状況では、リスクを負ってでも損失を回避したい
・損得が分かれている状況では、利益を得るよりも損失を被ることに敏感になる
偉人たちが行った実験の結果、こういったことがわかります。
【マーケティングへの応用】
無意識のうちに損失を回避したいなら、回避させてやればいいのです。
つまり、無意識のうちに購入させるには「損失の恐怖を解決してあげる」「今を逃すと損する想像をさせる」「このままだと損し続ける想像をさせる」具体的な例を挙げましょう。
「損失の恐怖を解決してあげる」
効果を実感できなかったら、全部使い切っていても全額返金保証!
(某スキンケアとかね)
「今を逃すと損する想像をさせる」
今だけ半額!明日からは通常価格!
「このままだと損し続ける想像をさせる」
会員になると永久に1割引!
全て「損失を回避」することができていますよね。
無意識のうちに心を開きます。
【投資(資産運用)やギャンブルでも顕著に表れる】
たとえば値動きが毎日変動するものに投資している場合、1万円増えた喜びよりも1万円減った悲しみの方が大きいそうです。同じ金額なのに。
ギャンブルでも同じ。
負けた損失を取り返そうとして負け、さらに取り返そうとして負け、、、延々と続きます。
これもプロスペクト理論が関係しています。
リスク(負け)を残したまま終わりたくなくて、勝つまで続けようとする。
人は損した気分から一刻も早く抜け出したいと無意識に考えているのです。
【まとめ】
人は得する喜びよりも、損する恐怖の方が大きく影響を受けます。2.25倍ほど重く受け止めるそうです。
マーケティングでは顧客に損失する恐怖を与え、それを解決する方法を示し、なかなか手に入らない(今しか、ここでしか手に入らない)ことをアピールして購買意欲を駆り立てるわけです。
購入したことで得られるメリットよりも、購入しないことで失うデメリットに訴えかけた方が、同じ大きさの事象だとしたら効率がいいということです。
損失よりも2.25倍も得しないと気分が落ち込んでしまうなら、ほぼほぼ落ち込んでいる毎日です。
毎日の値動きで一喜一憂していてはカラダが持ちません。
プロに任せてほったらかし資産運用をオススメします。