HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)の重永です。

肝心の収益である賃料は、入居者がいるから入ってきます。その入居者がいない状態、空室状態が続くとローン返済を自己資金で負担しなければなりません。

不動産投資にとって空室は最大のリスクと言っても過言ではないでしょう。

そんなリスクがあっては一歩踏み出せない人も多いでしょう。不動産販売会社は「家賃保証があるから大丈夫!」と営業してきます。

たしかに言っていることは間違ってはいません。ですが、説明義務のない闇もあります。(なのに契約書にはしっかり書かれている)

今回は過去の事例なども紹介しながら家賃保証について気を付けたいことを紹介します。

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【家賃保証とは?】

いくら需要の高いワンルームマンションでも、単身者が一生そこに住み続けることはほとんどないでしょう。多くは結婚したり、転勤したりで待機します。

そして、待機した翌日に次の入居者が入るとは限りません。クリーニングや壁紙の張り替えなどあるでしょうし、全く空室期間がなくなることはないでしょう。

そこで1ヶ月の空室期間が出てもその間の家賃を保証してくれるのが家賃保証(サブリース)契約です。

入居者がいなくて空室だとしても“賃貸管理会社”が家賃を払ってくれるというもの。空室のリスクをヘッジできる契約です。

家賃保証は「安定しててめっちゃええやん」と思われがちですが、物件や契約内容によっては簡単に安心できる訳ではありません。

【タダじゃない家賃保証】

こんなおいしい話が無料なわけありませんね。

家賃の10%〜20%程度でしょうか、家賃保証してくれる会社に支払います。

家賃保証とは違い集金代行契約というものもあります。これは管理手数料を支払ってオーナーの代わりに家賃の回収やクレーム対応、そして退去時のクリーニング等を代行してくれる契約です。もちろん空室期間中は家賃が入りません。その分手数料も家賃保証よりは割安です。

よっぽどどちらかの契約をしていますね。

【家賃保証に隠された闇(気を付けたいこと)】

「35年間保証します!」と言って契約を迫る業者もいます。「ふむふむ、契約年数も35年と契約書に書いてあるな」と安易に契約してはいけません。

ほとんどの場合「2年更新」「5年更新」となっています。

しかも、そのタイミングで家賃を下げてきます。

これを断ることは原則できません。オーナーの方が権限が強そうに思えますが、借地借家法という魔法のルールを盾に契約してきます。

これは、入居者を守るのはもちろん、家賃保証を行う管理会社も守られます。なせなら管理会社は、オーナーから物件を借り上げて、代わりに入居させ、空室の時でもオーナーに家賃を支払います。つまりオーナーから物件を借りています。この借地借家法を盾に「家賃下げへんと家賃保証契約を更新しないよ」と迫ってきます。

「35年間保証!」と書いてあっても、実際には「5年更新」などの細かい制約でオーナーに不利な状況になります。

【どう気を付けたらいいの?】

家賃保証してくれる会社に選び方を気を付けましょう。

多くは投資用マンションを売ってきた会社がグループ会社として家賃保証してくれます。これ以外には、販売会社と家賃保証の会社が全く別なケースもあります。

家賃保証してくれる会社が倒産したら、もちろんそれ以降の保証はなくなります。下手したら滞っている分が返ってこないパターンも考えられます。

なので空室期間を作らないよう入居者を募集する力があり、家賃などの条件がいい業者を選びたいものです。ということは、大手(有名な)企業がいいのかな?

いいえ、某有名不動産会社でも問題になっていますね。あとで紹介します。

また、契約書の内容をきちんと確認すること。

「35年家賃が変わらない契約だと思って契約したら、2年更新で毎回家賃を下げられる」なんてことになりかねません。

そもそも、需要の高い物件を購入すれば問題ないと思います。

どういう物件が需要が高くて人気なのかはこちらの記事で。不動産投資の基礎「地域は?立地は?どこがオススメ?」

【過去のトラブル事例】

某有名不動産会社でサブリース問題が話題になりました。ワンルームマンション投資とは違いますが、土地を持っている人に対して「相続税対策でアパート(マンション)建てませんか?35年家賃保証しますよ!」と契約。その数年後に「家賃を

割減らすかサブリース契約を解除するか選択してください」と迫る。

結果、別の賃貸管理会社と新たにサブリース契約を結ぶが、その会社が破綻し、オーナーが自己破産になる。。

かなりひどい例ですが、このように数年後に家賃減額を迫ってくることについて、オーナーたちが「聞いてない!」と集団訴訟を起こしました。先述のように借地借家法で守られていますから、法律を盾に「我々は悪くない」と平行線ですね。。

ほかにも記憶に新しいシェアハウスのサブリース問題。これもまた特殊ですが、実際にサブリース契約についてトラブルがあることは知っておきましょう。

【結局どうしたらいいの?】

先ほども書きましたが、賃貸需要のある物件であれば問題ないでしょう。

究極、家賃保証してもらわなくても入居者が入り続ける人気の物件です。

どういう物件がいいのかはこちらの記事で。不動産投資の基礎「地域は?立地は?どこがオススメ?」

有名企業もわざわざ自社ブランドに泥を塗るようなことはしないでしょうから、理不尽な家賃減額はしないはずです。ですから、空室にならない物件しか家賃保証したくありませんよね。つまり、大手が「家賃保証するよ!」と申し出る物件は、その大手が「空室になりにくいいい物件」と評価しているということです。

聞いたことのない会社が家賃保証する場合は注意が必要です。全て悪いわけではありませんが。。

【まとめ】

家賃保証(サブリース)契約は一見すばらしく、安心できる契約ですが、思わぬ落とし穴があります。これを知っておくのと知らないのとでは、大きな差があります。

「家賃保証あっても不動産投資こわいやん」と思われた方もいるかもしれません。

結論は、いい物件を選べば問題ありません。

たとえいい物件でも、家賃保証にはこういうことがあることを理解しておくことが重要です。

少しでも不安なことがあれば、不動産屋さんに相談するのではなく、第三者であり中立な立場の私に聞いてください。

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