HIBIKI FP OFFICE(愛知県名古屋市のFP事務所)の重永です。

私のブログを読んでくださっている方は医療保険に加入する前に「高額療養費制度」と「障害年金」について理解することが大事とわかってくれたと思います。

今回は生命保険について解説します。老齢年金、障害年金、遺族年金とある中で生命保険に関係するのは「遺族年金」です。

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【国の社会保障制度を知る】

保険なしでも日本という国は我々を助けてくれます。社会保障の中でも「社会保険」、さらに細かく分けると「年金」「医療保険」「労働保険」「介護保険」があります。

「年金保険料」「健康保険料」「雇用保険料」「労災保険料」「介護保険料(40歳以上)」みなさん支払っていますよね?

民間の保険に入らなくても、これだけの保険に入っています。

国が保障してくれる範囲ではカバーできない分を民間の保険に加入してカバーするのが、ズバリ「正しい保険の入り方」です。

なのでファーストステップは社会保障制度について理解することです。今回は「生命保険」について考察しますので、「遺族年金」について勉強しましょう。

【遺族年金とは】

国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。

「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、亡くなられた方の年金の納付状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。

遺族年金を受け取るには、亡くなられた方の年金の納付状況・遺族年金を受け取る方の年齢・優先順位などの条件が設けられています。

出典:日本年金機構

【受給額】

遺族基礎年金

780,100円+子の加算
子の加算:第一子・第二子 各224,500円
第三子以降各74,800円

遺族厚生年金は収入と厚生年金加入期間によりますので割愛します。

子が2人いるパパが亡くなった場合、配偶者は年間1,229,100円、毎月102,425円の遺族基礎年金が支給されます。プラス、遺族厚生年金です。

平均年収の35歳のサラリーマンが受給できる遺族厚生年金は年間約40万円、毎月3万円強くらいでしょうか。

このモデル家庭だと、パパが亡くなると年間およそ170万円、毎月およそ14万円を受給できます。

こんなイメージ

【民間の保険は必要か】

家庭によって異なりますが、必要だと思います。保険は素晴らしい制度です。ただ、必要以上の保険金額は必要ありません。多くの人が過剰になっています。

このモデル家族のパパが債務者の住宅ローンがあった場合、団信によってローン残債はなくなります。住む家(ローンなし)と、毎月14万円の年金を受け取れる生活を送ることができます。

保険金でカバーしたいのは

・足りない分の生活費
・家の将来の固定資産税や修繕費
・子の教育費&学費

配偶者が働けない場合は

・子の加算がなくなり、年金受給額が減ったあとの配偶者の生活費
・配偶者の老後資金

もカバーしたいですね。

【人によって様々】

年齢、年金加入状況、家族構成などによって遺族年金受給額は変わります。

「今、配偶者が亡くなったらいくら遺族年金をもらえるのか」気になった方は、年金事務所か社労士の先生に相談ですね。

夫が亡くなるパターン、妻が亡くなるパターンでカバーしたい保険金額も変わってきます。住宅ローンの団信や勤め先の保険など、かなり複雑です。

あまりよろしくない保険屋さんに相談すると、保険金額(保険料)を多くしようとします。保険料が多い方が彼らは儲かりますからね。

【もっと色々ある遺族年金】

「中高齢の加算」

以下の要件に該当する妻は40歳から65歳になるまでの間、585,100円(年額)が加算されます。

  1. 夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子(※2)がいない妻
  2. 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻(※3)が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)等のため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき。

出典:日本年金機構

「経過的寡婦加算」

次のいずれかに該当する場合に遺族厚生年金に加算されます。

  • 昭和31年4月1日以前生まれの妻に65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したとき(上記2の支給要件に基づく場合は、死亡した夫の共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の被保険者期間が20年以上(または40歳以降に15年以上)ある場合に限ります)
  • 中高齢の加算がされていた昭和31年4月1日以前生まれの遺族厚生年金の受給権者である妻が65歳に達したとき

出典:日本年金機構

素人が「いくら遺族年金をもらえるか」を計算するのは不可能に近いです。めちゃくちゃ複雑です。

【まとめ】

年金保険料を納めている人は、遺族年金を受給できるということをご理解いただけたでしょうか。

生命保険に加入する際は、この遺族年金を頭に入れた状態でいくら必要なのか考えることが大切です。

あまり保険金額が過剰だと相続税も多く発生してきます。子の教育費&学費についても深掘りした記事を執筆しますのでお待ちください。

遺族年金は複雑です。複雑だから不安になる、不安だから保険に過剰に加入する。。よろしくないですね。

保障は厚ければ厚いほどいいのは間違いないですが、今の生活を苦しめるような保険料を払っているようでは本末転倒です。ご自身の状況に合わせた保険に加入することをオススメします。

相談は保険屋さんにではなく、代理店契約していない、利害関係のない第三者FPにお願いしましょう。お金を払ってでも相談する価値はあります。